─ ケーブル溝補修による車両通行の改善 ─

工場や倉庫の構内では、設備用ケーブルを通す溝の上に石板や金網などの蓋材を設置し、通路として使っているケースがあります。設備の増設やレイアウト変更に伴い、限られたスペースの中で実用的な対応として採用されることも少なくありません。
一方で、こうした構造は継続的に車両が通行する環境では、蓋材だけでなく蓋受け部の不陸や欠損が進行し、通行時のガタつきや安定性低下につながることがあります。
工場のケーブル溝を通路として使う際に起こりやすい課題
本来、ケーブルを保護する設備と、車両が通行するための路面は、別の役割を持つものです。
しかし現場では、施工条件やコスト、稼働停止を避けたい事情などから、ケーブル溝の上部をそのまま通路として兼用していることがあります。こうした構造は省スペースで合理的な一方、使用環境によっては次のような問題を招くおそれがあります。
- ・通行時のガタつきによる衝撃の発生
- ・蓋受け部の欠損、破損
- ・作業者のつまずきや転倒リスク
- ・通路下にあるケーブルへの悪影響
特に車両通行が繰り返される場所では、蓋材だけでなく蓋受け部に負荷がかかり続けるため、目立ちにくい不陸や欠損が通行性の低下につながる場合があります。
全面改修が難しい現場では、既存設備を活かした補修も選択肢になる
こうした不具合への対応としては、設備全体を撤去して新設する方法もあります。ただし実際には、工期やコスト、周辺設備への影響などから、全面改修が難しいケースもあります。そのため、現場条件によっては、既存設備を活かしながら必要な箇所を補修・補強することが現実的な対応となります。
例えば、次のようなケースでは、補修による改善を検討しやすくなります。
- ・不陸や欠損が局所的である
- ・蓋受け部の補修により蓋材のガタつき軽減が見込める
- ・使用条件に対して、補修後も点検・維持管理が可能である
重要なのは、すべてを作り直すか、そのまま使い続けるかの二択ではなく、現場条件に応じて適切な改善方法を選ぶことです。
ケーブル溝補修による車両通行改善事例
※本事例で使用したコンクリート補修材:カンクリート
ここでは、工場敷地内のケーブル溝上に設置された蓋材(石板)通路において、蓋受け部の不陸・欠損に対して部分補修を行なった事例を紹介します。



本事例では、まず蓋受け部の下地処理を実施し、その後、コンクリート補修材を用いて不陸および欠損を補修しました。また、当該箇所は湿潤面での施工となる可能性が高い環境であったため、湿潤面施工に適した補修材を選定しています。
※補修材によっては、水で濡れている面に施工できるものと、適さないものがあります。使用にあたっては、製品仕様や施工条件の確認が必要です。
- ・下地処理:
劣化部の斫り・脆弱部の除去 → ケレン(粗面化) → 清掃(粉塵・油分除去/必要に応じて洗浄) - ・補修・成形:
補修材の充填 → 所定厚みまで塗り重ね → 表面の均し → 硬化養生
施工写真では、蓋受け部の不陸や欠損に対して補修材を充填し、蓋材を支持している面をできるだけ均一に整えている様子をご確認いただけます。また、補修後には車両による走行テストを実施しております。
不陸部には補修材を充填して表面を平滑に調整し、欠損部には必要な範囲で補修材を施して形状を整えます。これにより、蓋材設置時の収まりを改善し、通行時のガタつきや荷重の偏りの軽減が期待できます。




蓋受け部補修後の車両走行テスト
ケーブル溝の上を通路として使用している現場では、蓋受け部や周辺部の損傷が、日常の通行性や維持管理に影響することがあります。こうした現場では、全面改修が難しい場合であっても、現場条件を踏まえたうえで既存設備を活かす補修が有効な選択肢となることがあります。
本事例は、補修方法を比較・検討する際の参考事例としてご活用ください。
本事例で使用したコンクリート補修材:カンクリート

『カンクリート』は低粘度モルタル状の工業用補修材で、車両が通行する工場や倉庫、駐車場などの損傷部の補修に役立ちます。水で濡れた面にもそのまま施工でき、プライマーも不要なため、スピーディーな施工が可能です。
※薬品で濡れている場合は、事前に適合性テストを行ってください。
※壁・天井へ塗布すると垂れが生じます。
※詳細な施工条件・適用可否は製品ページ・カタログ・TDSをご確認ください。
